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仕事から帰って、夕食を食べて、お風呂に入る。「さあ勉強しよう」と机に向かったころには、もう22時を回っている。テキストを開いても同じ行を何度も読み返してしまい、気づけば手がスマホに伸びている。結局その日は1ページも進まず、「明日こそは」と布団に入る。
試験日が近づくと、今度は週末にまとめてやろうとします。ところが土曜の朝は起きられず、午後はだらだらと過ぎ、日曜の夜になって焦り始める。前日に一気に詰め込んで、寝不足のまま試験会場に向かう。社会人になってから勉強をしようとした人の多くが、一度はこの流れを経験しているのではないでしょうか。
そんなときに「通勤前の30分で勉強するといい」という話を聞いても、正直ピンとこないと思います。たった30分で何ができるのか。夜に2時間やってもだめなのに、朝の30分で足りるわけがない、と。
私も、もともと朝に強い人間ではありませんでした。ブログを始める前は、布団に入ってからスマホで短い動画を見続け、寝るのは1時か2時。平日は6時に起きるので、眠れて5時間ほどです。昼間はずっと眠く、そのわりに夜の時間で何かが積み上がることもありませんでした。高校の受験勉強も、夜遅くまでやる夜型でした。
そんな私が、会社の昇格試験を受けたときに勉強を朝へ移しました。夜はいつも通り9時に寝て、朝の4時から4時半までの30分だけ勉強する。これを1ヶ月ほど続けたところ、体も気持ちも、驚くほど楽だったのです。試験には1万字の論文を書く課題もありましたが、それも朝の30分で200字ずつ書き進めました。
きれいごとを抜きにして書くと、通勤前の30分勉強の効果は、「短時間で集中できる」という話だけではありませんでした。大きな課題が、毎朝少しずつ確実に減っていくのが目に見えること。これが、いちばん大きかったと感じています。
この記事では、次のことを書きます。
夜に勉強しようとしても続かない社会人の方、試験や課題を前にして「まとまった時間がない」と感じている方に向けて書いています。
先に結論を書きます。
通勤前の30分勉強には、効果があります。 ただしその効果は、30分の中身の濃さよりも、「毎朝同じ時間に、同じ量だけ進む」ことから生まれます。
1回の30分でできることは、たしかに多くありません。私の場合、論文なら200字ほどです。それでも、毎朝続けていると「もう5,000字ある」と気づく朝が来て、別の朝には8,000字を越えています。1日の終わりに2時間ひねり出そうとするより、朝の30分を毎日置いておくほうが、結果として先へ進んでいました。
昇格試験の1ヶ月で感じた効果を、4つに分けて書きます。
いちばん分かりやすい違いは、頭の状態です。
夜の頭は、1日じゅう仕事で判断を重ねたあとで、ほとんど残りがありません。ゲームで言えば、体力が尽きかけた状態です。一方、寝て起きた朝は、宿屋に泊まった直後のように体も頭も回復しています。
同じ30分でも、疲れ切った夜の30分と、回復した朝の30分では、進み方がまるで違いました。夜にテキストを開くと同じ行を何度も読んでいたのに、朝は1回で頭に入る。この差だけでも、勉強を朝へ移した価値があったと思っています。
朝の4時は、家族も寝ていて、家の中が静かです。メッセージも来ませんし、テレビをつけても面白い番組はやっていません。
夜は違います。23時を過ぎると面白い番組が増えていき、スマホには次々と気になる話題が流れてきます。疲れて選ぶ力が残っていない時間に、考えずに見られるものが並んでいる。夜に勉強が進まなかったのは、意志が弱かったからというより、周りの誘惑が強すぎたからだと、今は思っています。
朝の30分は、その誘惑がほとんどない時間でした。
昇格試験には、1万字の論文を書く課題がありました。
1万字と聞いただけで、手が止まります。まとまった休みの日に一気に書こうとしていたら、たぶん書き出すまでに何日もかかっていたはずです。
そこで、朝の30分で200字ずつ書くことにしました。200字なら、30分あれば書けます。1回の量が小さいので、書き始めるまでの心理的ハードルもほとんどありません。
毎朝200字ずつ増えていくと、ある朝「もう5,000字も書いたんだな」と気づき、また別の朝には「8,000字いったな」と思える。この目盛りが増えていく感覚が、続ける力になりました。 大きな課題に要ったのは、まとまった時間ではなく、毎朝の小さな目盛りだったのです。
周りの人は、試験の前日や夜にまとめて勉強していました。朝に勉強している人は、ほとんどいなかったと思います。
毎朝少しずつ進めていると、前日に慌てて詰め込む必要がありません。試験が近づいても、「今日の分はもう終わっている」という安心感があります。
体も楽でしたが、それ以上に気持ちが楽でした。夜に「今日もやれなかった」と自分を責める時間が、なくなったからです。
「30分で足りるのか」という疑問には、「足りるように量を決める」と答えています。30分で終わる量に課題を刻んでおけば、30分は十分な長さになります。
ただし、全員に朝の勉強をすすめたいわけではありません。
夜に勉強を続けられていて、結果も出ているなら、無理に朝へ移す必要はないと思っています。私も高校生のころは夜型で勉強していました。朝か夜かは手段であって、大事なのは続いているかどうかです。
一方で、次のような人には、通勤前の30分が向いていると感じます。
特に子どもがいる家庭では、子どもと一緒に夜9時に寝てしまうのも一つの方法です。子どもは朝まで10時間ほど眠りますが、大人は6時間ほどで足ります。そうすると、家族が起きる前に、誰にも呼ばれない時間ができます。
朝と夜の勉強の違いについては、こちらで詳しく比べています。

ここからは、実際に通勤前の30分を勉強にあてるための手順です。
朝の30分を作るとき、最初に決めるのは起きる時刻ではなく、寝る時刻です。
私は昇格試験の間も、夜はいつも通り9時に寝ていました。睡眠を削って朝の30分を作ると、日中の仕事に響き、数日で続かなくなります。起きる時刻を早めるなら、寝る時刻も同じだけ早める。これが前提です。
寝る時刻の決め方については、こちらにまとめています。

「朝に30分勉強する」と決めるより、「4時から4時半まで」と時刻で区切るほうが続きました。
時刻で決めておくと、始まりと終わりがはっきりします。終わりが決まっているので、「今日はどこまでやろうか」と迷うこともありません。通勤前なら、家を出る時刻から逆算して、「出発の1時間前から30分」のように置くと決めやすいと思います。
次に、1回で進める量を決めます。私の場合は、論文なら200字でした。テキストなら数ページ、問題集なら数問など、30分で確実に終わる量にします。
ポイントは、少し物足りないくらいの量にすることです。欲張って量を増やすと、終わらなかった日に自分を責めることになり、翌朝の机が遠くなります。
私が朝の30分勉強を続けたのは、試験までの1ヶ月ほどでした。
「ずっと続ける」と考えると重く感じますが、「試験までの1ヶ月だけ」なら始めやすくなります。期限があると、1日あたりの量も逆算できます。1万字を200字ずつなら、50回です。
最後に、進んだ量を数えます。
論文なら今何字あるか、テキストなら何ページまで来たか。数えるのは、自分を評価するためではなく、目盛りが増えていることを確かめるためです。「もう半分を越えた」と分かると、残りの朝も続けやすくなります。
朝の勉強そのものが続かないときの考え方は、こちらの記事に書いています。

朝の30分を作るために、何かを足す前にやめたことがあります。
ブログを始める前の私は、布団に入ってからスマホで短い動画を見続け、1時、2時まで起きていました。その時間で残ったものは、何もありません。
朝に起きるためには、夜のこの時間を手放す必要がありました。今は夜9時には寝ていて、布団の中でスマホを眺めることはほとんどなくなりました。
「試験の前にまとめてやればいい」という考えも、やめました。
前日に詰め込むと、寝る時刻が遅くなり、翌朝起きられなくなります。朝の30分を守ることは、前日の夜を守ることでもありました。
調子のいい朝は、「もう少しやろう」と思うこともあります。それでも、決めた時刻が来たら終わりにしました。
長く続けた日は、翌朝の量のハードルが上がってしまいます。30分で終えて、少し物足りないくらいで次の朝に回す。そのほうが、翌朝も机に向かいやすかったです。
通勤前の30分勉強の効果と、続けるための手順をまとめます。
たった30分と思うかもしれません。でも、夜に2時間ひねり出そうとして進まなかった私が、朝の30分で1万字を書き進められました。まとまった時間がないと感じているなら、明日の朝、いつもより30分だけ早く起きて、30分で終わる量だけ手をつけてみてください。
朝の時間そのものの作り方から知りたい方は、こちらもあわせてどうぞ。

なお、この記事で触れた「大きな課題を、毎朝の小さな量に刻んで続ける」という考え方については、私のKindle本『三日坊主さんの朝活』でも、根性ではなく仕組みで続けるための具体的な工夫として詳しく書いています。全15章・500円で、Kindle Unlimited(読み放題)の対象なので、対象の方は追加費用なく読めます。三日坊主で終わってしまう方に向けて書いた一冊なので、よければあわせてご覧ください。
その続きとして、朝に作った時間で何を書くのか、書いても読まれない時期をどう越えるのかをまとめた2冊目『三日坊主さんの発信』も出しました。こちらも全13章・500円で、Kindle Unlimited(読み放題)の対象です。
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「明日こそ自分を変えたい」と願いながらスヌーズを繰り返す。そんな出口のない日々を、私は2021年に卒業しました。現在40代の会社員として働きながら、毎朝3時に起きてブログや副業、資産運用を淡々と積み上げています。私は決して意志の強い人間ではありません。むしろ自分の弱さを知っているからこそ、気合や根性を捨て、AIや「仕組み」で自分を動かす技術(メタ認知)を磨いてきました。
かつては他人の目や「こうあるべき」という社会の理想に振り回され、反応的な不安に支配されていました。しかし、ジャーナリングで思考を客観視し、コントロールできる領域へ一点突破することで、精神的な自由を手に入れました。不必要な付き合いを断って家族との時間を守り、SNSの消耗戦を抜け出して自分だけの資産を築く。このブログでは、特別な才能がない凡人が、5年後、10年後の自分から感謝されるための「静かな生存戦略」を共有しています。
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